人間は生まれてから数多くのことを記憶していく。
その中で記憶の始点・終点ってのはなかなか覚えていないし、意識することもできない。
ただ、今確かなことが言えるとするならば、決して自分が生まれた直後でもなく、
まさに他界する瞬間でないにもかかわらず、記憶が非常に曖昧であるということ。
夢を見ている訳でもなさそう、ただ目を開けても周りは薄暗く無限に空間が広がっている不思議な空間に放りだされた感覚だ。
自分が、なぜこんな場所にいるのかは考えてもどうしようもない気がして、とにかくまずは手を動かしてみる。
すると、右手に何かが当たった。よく見るとそれは…
どうやら、携帯電話のようだ。誰もいない空間に落ちている、その携帯電話は恐らく自分のもののようだ。
(とりあえず、誰かに連絡をとらなきゃ。)
そう思い、携帯電話を開く。
しかし、残念なことに電源が入っていないようだ。電源ボタンを押して、何度も起動を試みるが反応もない。
諦めて、携帯電話を折り畳もうとしたその時、
電源の入っていないはずの携帯電話が音を立てる。
誰だろうと思いつつ、送信者の名前をみようとすると、
「奥村 久遠」
と書いてある。
……………
………
…
久遠と過ごすいつもの日常。 また、新しい朝が始まる…。






